【最適解は手前奥ではなく「上下」】DTMデスクにはキーボードスライダーが必須の理由

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はじめに

対象読者

  • デスクに後付けキーボードスライダーを検討している人
  • MIDIキーボードと文字キーボードの配置に悩んでいる人

この記事からわかること

  • DTMデスクでキーボードスライダーを使うメリット
  • 筆者が実際に使っている後付けキーボードスライダー、レイアウト例
この記事を書いた人

奈沼 蓮

作編曲家、サウンドエンジニア(サウンドデザイン、ミックス、マスタリング、PA)

この記事に書いた配置にしてから4年以上はMIDIキーボードと文字キーボードの位置を変えてない。

キーボードスライダーをデスクに追加した理由

Image by Arek Socha from Pixabay

DTMerの中ではたまに話題に登るものに「キーボードの配置」があります。
基本的には

  • 「文字キーボードが手前でMIDIキーボードは奥」派
  • 「文字キーボードは奥でMIDIキーボードが手前」派

がいて、それぞれのメリットを主張し比較し合います。

「手前か奥か」では奥になるデバイスの使い勝手が必ず犠牲になる

しかし基本的に奥側になってしまった方は使い勝手が悪くなります。
詰まるところ「各自がより快適に使いたい方を手前にするしかないんじゃないか」という結論になります。
私はDTMをするときのMIDIキーボードの弾きやすさも、こうしてブログを書くときの文字キーボードの打ちやすさも、できる限り犠牲にしたくありませんでした。

そこで考えたのは「手前奥ではなく上下で配置したらどちらも快適に使えるのでは」ということです。
そこで後付けキーボードスライダーを追加しました。
結果として理想的な環境になりました。

「ピアノの理想的な姿勢」と「文字キーボードの理想的な姿勢」

理想的なMIDIキーボードの高さ

Image by D Gy from Pixabay

MIDIキーボードやピアノのような鍵盤は長い歴史の中で理想的な姿勢が研究され、楽器の造りは洗練されています。
設計上想定された姿勢で利用した方が疲れにくく、上達も早くなります。

楽器メーカーのYAMAHAによれば、ピアノの鍵盤(白鍵)の高さは床から73 ~ 75cmです。

参照元 : YAMAHA よくあるお問合せ
https://yamaha.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/1756

この高さに設定できれば、あとは椅子の調節で理想的な姿勢を取ることができます。

理想的な文字キーボードの高さ

文字キーボードでも疲れにくい姿勢は研究されています。
デスクワーク時に疲れにくいデスク環境をPCメーカーの富士通が紹介しています。

参照元 : 富士通株式会社 パソコンを使うときの姿勢
https://www.fujitsu.com/jp/about/businesspolicy/tech/design/ud/vdt/index-page3.html

図の出典 : 富士通株式会社

これによると文字キーボードの高さは床から60 ~ 72cmであれば理想的な姿勢を取ることができそうです。

文字キーボードを下に配置すれば、理想的な条件が両立できる

上で紹介した2つの理想的な姿勢のための条件を合わせると、
「MIDIキーボードを床上74cm前後、文字キーボードを床上60 ~ 72cmの範囲に設置する」
となり、「上下」の配置なら両立が可能なことがわかります。

そのためにデスクの天板1枚では足りないので、キーボードスライダーが必要になります。

実践した筆者の現在のデスク環境

筆者はProStyle「KWD-100」というDTM向けのスタジオデスクを使っています。(現在ホワイトは生産終了)
この製品は最初からキーボードスライダーがひとつ付いています。

このデスクの良いところはキーボードスライダーの上にMIDIキーボードを置くと、ちょうどピアノの白鍵の高さと同じ(73 ~ 75cm)になる点です。
DTM向けに設計されているだけのことはあります。

しかしキーボードスライダーより低い位置には文字キーボードを置くスペースがないです。
ちなみにメインの天板は床上84cmと高めです。文字キーボードを置くには高すぎます。
(モニターディスプレイを置くにはちょうどいい高さなので、多分そういう設計です)

選んだキーボードスライダーはバウヒュッテ「BHP-K70-WH」

後付けキーボードスライダーを購入して追加しました。
いくつか比較検討して、決めたのはバウヒュッテの後付けキーボードスライダーです。
デスクに合わせて色はホワイト。

これでMIDIキーボードの下に文字キーボードを配置することができるようになります。

筆者のデスクレイアウト

MIDIキーボードが置いてあるのがデスク初期装備のキーボードスライダーで、文字キーボードが置いてあるのが後付けしたキーボードスライダーです。

記事執筆時の筆者のデスクの様子。一番手前に出ているのがBHP-K70。

個人的には快適でしたが、記事作成にあたり、各キーボードの高さを測定してみました。

  • MIDIキーボード 床上高さ 73cm (理想値 : 73 ~75cm) → 理想値通り
  • 文字キーボード 床上高さ 58cm (理想値 : 60 ~ 72cm) → やや低いが許容範囲

文字キーボードが理想値より2cm低い結果となりました。
しかし使い勝手は悪くないので許容範囲です。
ちなみにあと2cm高くすると、マウスを使うときに手がMIDIキーボードの板に当たってしまいます。
なので私のデスクではこれが最善の配置です。

後付けキーボードスライダー導入の効果

実際今の配置になって効果が出たと感じる部分を書きます。

疲れが減り、猫背が改善

筆者はMIDIキーボード重視派だったので、かつては文字キーボードをデスク天板(床上 84cm)に置いていました。
その時と比べると、肩と二の腕の疲労度がかなり減りました。
腕をあまり前に出さなくて良くなったので、猫背傾向も解消されました。
正直もっと早く導入しておけばよかったです。

これはたまたまですが、後付けしたキーボードスライダーの文字キーボード両端にパームレスト付きマウスパッドを置くとジャストサイズでした。
ちょっと気分がいいです。

まとめ : MIDIキーボードより文字キーボードは「低く」設置すべし

今回の記事ではDTMデスクにおけるキーボード配置問題に対し、ひとつの結論を出しました。
それは

キーボードスライダー追加によって、MIDIキーボードを床上73 cm、文字キーボードをその下の床上60cm前後に配置する。これで理想の姿勢が両立可能。

です。

従来の「キーボードを手前に置く/奥に置く」という選択に対し、

  • 2つのキーボードどちらの操作性も犠牲にしない
  • 理想的な姿勢を取ることができるので疲労感軽減、猫背防止になる

という利点があります。

デメリットとしてはキーボードスライダー分のコストがかかるところです。
筆者はそこそこしっかりした造りのものの方が安心できるので、1万円クラスのものを買いました。

今回の記事は以上です。
お役に立てれば幸いです。

登場製品紹介

バウヒュッテ 後付けキーボードスライダー BHP-K70-WH

今回の主役の後付けキーボードスライダーです。
クランプ式で机に穴を開けることなく、楽に取り付けできます。
奥行き40 ~ 70cmの机天板なら取り付け可能です。
しかも8kgまで乗せることができます。
がたつきも無くスライドもスムーズです。
他製品と比べるとやや高級な部類ですが、塗装も綺麗で質は良く妥当かと思います。

ProStyle KWD-100WH DTM専用デスク

今回後付けキーボードスライダーを設置する土台となったDTMデスクです。
足の構造的にしょうがないのか、やや横揺れはします。
購入時に店員さんから聞いた情報によると、設計は楽器店では無く本職の家具屋さんがやっているそうです。
5年くらい使っていますがサビや塗装の剥がれもないです。

  • ラックマウントがある
  • 初期装備のキーボードスライダーにMIDIキーボードを置くと、ちょうどピアノと同じ高さになる

という点でDTM向けに工夫されています。

こういったスタジオデスクは高価のものが多いですが、これは税込49500円です。(記事更新時2021年8月)

エレコム マウスパッド FITTIO High MP-116BK

パームレスト付きのマウスパッドです。
パームレスト部分のクッションにゲルが採用されていて程よい弾力があり気持ちいです。
私は1回買って使って気に入ったので、左手デバイス分も含めて今は2こ持っています。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • ディスプレイが遠いと感じることはありませんか?
    特に普段(DTMをしないとき)で不便さを感じませんか?

    • ディスプレイが遠いと感じることはありません。
      椅子に座った状態で手を伸ばせば、ディスプレイ正面下部の調整用ボタンに届きます。

      普段はブログ執筆、ゲームプレイ、動画視聴などを現在のデスク環境で行なっていますが、ほぼ不便さは感じません。
      例外としてデスク下にオットマンを置く場合、相性が悪いです。「オットマンの上面」と「キーボードスライダーの下面」の間に足を通すことになりますが、足を通す幅が狭まってしまうので少し窮屈です。

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