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zplane「deCoda」をあまり使わなくなった理由を考えてみた

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対象読者

  • zplane 「deCoda」を買おうか検討中の人
  • 私と同じで使いにくさを感じるので対策を探している人

昨年末リリース時に「すごい耳コピツールが出たぞ!」と話題になった製品です。
しかし私にはあまり使い心地がよくなくて最近使ってませんでした。
最新版のver.1.03にアップデートして改めていじってみて、使わなくなった理由をまとめてみました。

目次

  • 耳コピ支援ソフトとしては優秀な方ではあるが、多くを期待してはいけない
  • 「音が取れない『一部分』を把握する」には良い
  • 使わなくなった理由4つ。最大はテンポ調節の不自由さ
  • 「spleeter」と組み合わせたら可能性を感じた
  • まとめ 4000円くらいの価値はある

耳コピ支援ソフトとしては優秀な方ではあるが、多くを期待してはいけない

deCodaは耳コピ・楽曲解析支援ソフトウェアです。
楽曲ファイル(.wavなど)を読み込んで

  • 波形の表示
  • ピアノロールのような画面上での音程・タイミングの表示
  • ゆっくり再生(音程は変えない)
  • 音程変更

といったことができます。
「リズムがとりにくいところをゆっくり再生できる」
「音程のわかりにくいベースをオクターブ上げることではっきり聴き取れる状態に変える」
といったことは他の耳コピ支援ソフトでもよくある機能です。
このdeCodaの最大の売りはなんといっても「音程の表示」にあります。
耳コピの最大の障壁の一つが「音感がないと音程が分からない」という点ですが、それが「可視化」できるのですからめっちゃ便利です。
もしコピーしたい楽曲をdeCodaの解析をかけることによって、「全ての楽器の音程とリズムが視覚的に完璧に把握できる」なら10万円でも安いくらいですが、はっきりいってそこまで完成度の高いものではありません。

「音が取れない『一部分』を把握する」には良い

使ってみた実感として、おそらくこのdeCodaの製作者は
「解析した楽曲の耳コピの『答え』を提供する」
ということを目指しておらず、
「聴き取れない一部分に対してあらゆる『ヒント』を提供する」
ことを目指して作ったと感じました。

何をいっているのか分かりにくいので実際の画面を見せながら説明します。
下の画像は市販のあるアニソンを解析にかけ、サビのあたり13小節を表示したものです。

たった13小節ですが、情報が整理されていなすぎて何が起こっているのかこれでは全く分かりません。
そのため解析区間をぐっと縮小して1小節だけ出します。

これでもはっきり言って何が起こってるかほぼ分かりません。
「一番下の音程が安定しない影はkickの音かな」とか、
「その上の音程の安定した線はベースの影かな」とかという程度なら分かりますが、
ボーカル、コーラス、ギターその他パートはどの影がそれなのか、判別がつきません。
今度はボーカルに音域を絞って(縦方向を拡大して)出します。

男性ボーカルがサビで使う音域にフォーカスすると、今度はだいぶ参考になりそうな画面になりました。
ちなみにdeCodaは基音と倍音を自動で判別して、基音を青い影、倍音を黒い影で表示します。(この辺はあまり分からない人は「青い影の方が重要」くらいに覚えておけばOKです。)
ここまで来れば実際に耳で聴いている音でボーカルの上下の動きはある程度検討がつくので、「この青い影の部分がボーカルのラインだな」ということが分かります。

ここまでの流れでわかっていただけたかと思いますが、deCodaはバンドスコアのように全体像を見やすくスッキリと表示してくれるわけではありません。
今回のように「1小節間の特定のパート」であれば大きなヒントを得ることはできます。
例えば
「このドラムフィルの部分かっこいいけど何をしているのか分からない」
「ボーカルのこの部分のピッチが曖昧で、ハマる音が見つからない」
のような時は大いに参考になる「ヒント」を提供してくれます。

使わなくなった理由4つ。最大はテンポ調節の不自由さ

使いどころもそこそこあるdeCodaですが、購入した時の期待より使い勝手が悪く、最近はほとんど使っていませんでした。

その理由を改めて考えてみると

  • 一度に把握できる範囲がかなり狭い
  • コードの判定精度がそこまで高くない
  • 一度にテンポの細かい追従ができない
  • 楽器の多いアニソンなどは影が混在して見にくい

ということに尽きるかなと思います。

1番目と4番目は前項の画像でわかっていただけると思います。
個人的にはコード判定はそこまで期待していなかったのでいいとしても、細かなテンポの追従は機能が欲しいです。
最近のポップスのような楽曲でも、「テンポは一貫して160!」とかって決まってバッチリハマっているわけではなく、微妙に揺らいでいます。
そのため、3,4小節くらいは気にならないようなズレでも、8小節、16小節とかになってくるとズレが蓄積して気持ち悪くなってきます。
Logic Pro XなどのDAWでは1曲中にテンポを柔軟に変化させることができるので、ズレが起きないように微調整できます。
しかしdeCodaは1曲中で設定できるテンポは「1つのみ」!
つまりAメロでテンポ調節して、BメロでズレてきたからBメロで再調整する宮井なことをすると、今度はAメロでズレます。あちらが立てばこちらが立たぬ状態です。
「特定の1箇所だけ聴き取る」ことに注力するなら関係ないのですが、大抵の場合メロディーなどは8小節単位で追っかけるので、いちいち調整するのが面倒です。

テンポの追従は今後のアップデートで追加・改善されることを願います。

「spleeter」と組み合わせたら可能性を感じた

最近「spleeter」という「機械学習の力で楽曲をパート分けしてくれる」というチートみたいなツールを発見して使いはじめましたが、「これをdeCodaと組み合わせて使えばより使いやすくなるのでは?」と閃きました。

「spleeter」は耳コピに非常に役立つソフトなので紹介・レビュー記事を過去に書きました。

deCodaは楽器数が多いほど、解析結果がごちゃごちゃして見にくくなりますが、あらかじめspleeterを使って「コピーしたいパートだけ抽出して解析にかける」ということをすれば見たい部分だけみれるのではないかと思い試して見ました。

画像を撮っていなかったので結果だけ報告しますが、ボーカル&コーラス、ベース、ドラムに関してはかなり理想的に解析結果の影にノイズが減り見やすくなりました。
特にボーカル&コーラスの辺りはいろんな楽器の混在する帯域なので見やすくなったのはかなり大きい進歩です。
一方で、ギターやピアノバッキング、ストリングスセクションといったspleeter側で細かく分離できないものは相変わらず把握したい辺りがごちゃごちゃしていて細かい動きは分からないままでした。

まとめ 4000円くらいの価値はある

現在(6/4/2020) Plugin Boutiqueでセールをしていて40%OFFで買うことができます。
為替の影響を受けるので細かい値段は書きませんが、大体3500円前後です。

これまで書いてきたメリット・デメリットを振り返ると、耳コピ支援ソフトウェアを全く持っていない人なら買っといても損はないのではないかなと思います。
私自身も音感トレーニング中ですが、音感は身につくまでに半年~1年くらいの地道なトレーニングを必要とします。
そのトレーニング期間中に「耳コピがほとんどできない」という状態であるよりはdeCodaのような「ヒントをくれるツール」があるというのはそれなりに助かると思います。

まだver.1.03なので今後のアップデートによる進化も期待できます。
今後の期待も含めて、4000円くらいの価値はあるかなと思いました。

今回の記事は以上です!参考になれば幸いです!

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