【本気でDTMミキシングを始める】iZotopeのMPS6がスタートにオススメの理由

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目次

はじめに

対象読者

  • DTM初心者から中級者で、ミキシングに真剣に向き合い始めようと考える人
  • ミキシング向けプラグインバンドルが各社から出ているが、どれを選ぶか悩んでいる人
  • iZotope Music Production Suite 6の導入を検討している人

この記事からわかること

  • なぜiZotope Music Production Suiteがミキシングのスタートに最適なのか?
  • Music Production Suiteの内容で特に魅力的なもの(筆者主観)
  • 購入前に知っておきたいMusic Production Suiteのデメリット
  • 4万円近くMusic Production Suiteをお得に買う方法
筆者紹介
奈沼蓮アイコン画像

奈沼 蓮

ミキシング/マスタリングエンジニア、SR(PA)、作編曲家
ライブミックスを含めるとミキシング実績1万曲以上。

ミキシングコンテスト「Music Research Contest 2022 SUMMER」入賞

iZotope製品は2018年から使い続けている。現在5年目。
特にOzoneとInsight 2は使わない方が難しいほど依存している。

本記事の内容は筆者のエンジニアとしての主観が含まれ、ミキシングに対する考え方は他のエンジニアと異なる可能性があります。参考意見として取り入れてください。
本記事はアフィリエイト広告を含みます。一方でiZotope Music Production Suiteは自費で購入しており、スポンサーからの提供を受けておりません。

ミキシングを始めようとするとぶつかる壁

Image by Arek Socha from Pixabay

楽曲制作において、ミキシングは避けて通れません。
しかし真剣に取り組もうとする場合、次のような壁にぶつかります。

  • 何をしたらミキシングしたことになるのかわからない
  • そもそもミキシングをする目的がわからない
  • ミキシングをするのに必要なプラグインの種類や機能が判断できず、揃えられない
  • 自分のミックスを聴いた時に何が問題なのかわからない
  • 何か問題に感じる部分があっても、どのミキシングエフェクトをどう使えば解決するのかわからない
  • わからないことがたくさんあるが、専門学校に通ったりしてないので信頼して聞ける先生がいない

大体の人はこんな感じでミキシングのことがあまりわからないままでいます。
お金があれば専門のミキシングエンジニアに依頼することもできますが、学生だと厳しい部分があります。
仮に依頼する場合でも、ある程度ミキシングのことを理解していないと、エンジニアと建設的な打ち合わせができません。

スタートでMPSを選ぶと初心者の壁が一掃できる理由

Photo by Jonah Withers from Unsplash

ミキシングのスタートでMPSを選べば、先述したような初心者がぶつかる壁が一掃できます。
もちろん技術的な鍛錬やミキシングの研究が必要な部分はありますが、大部分の悩みが消えます。
その理由を解説していきます。

必要なプラグインがわからない → MPSなら全部揃ってる

ミキシングを行う上で、そもそも必要なプラグインが揃っていないとスタートにさえ立てません。
でも初心者では「どのプラグインが必要なのか?」を判断することは難しい面もあります。
実際プラグインエフェクトの中には特定の音楽ジャンルでしか使わないような、特殊な物もあるのは事実です。

MPSならミキシングに必要なプラグインをほとんど過不足なく揃えることができます。
つまり「足りないプラグインが無いか?」と悩まないし、無駄な買い物をしなくて済みます。

MPSをスターターセットとして、その後適宜自分のミキシングに必要な単体プラグインを揃えていくというのがオススメです。

ミックスの問題点がわからない → AIアシスト機能で発見できる

iZotope製品の最大の強みであり特徴といえるのが「ミキシングやマスタリングにおけるAIアシスト機能」です。
例えばNeutronではミキシング全体のバランスをとってくれたり、Ozoneではリファレンスと周波数バランスを比較して自動でEQ補正をかけてくれる機能があります。

ミキシング初心者の場合、とりあえずミキシングをやってみて「いい感じにできた!」と思っても、実際は明確な問題点が残っていることが多いです。
通常はミキシングの先生と一緒に聴いてわかるようになったり、数ヶ月経って耳の感覚が成長したりして気付けるようになります。
AIアシスト機能はそうした「自分では気づきにくい問題点」を発見して自動で直してくれるので、初心者のうちからある程度ミキシングの品質を確保できるようになります。

全ての問題点を発見できるわけではないですが、マスキング箇所の発見などは慣れないと難しい部分なので最初のうちはとても有用です。
もちろん「あえてAIアシストを使わない」ということもできるので、個性的な要素を潰さない使い方も可能です。

ミキシングの基本技術がわからない → iZotope公式がプロの実演教材提供

ミキシングの道具が揃っても、実際の効果的な使い方がわからなければあまり意味はありません。
ミキシングの勉強や使い方の研究が必要です。
しかし多くのプラグインメーカーはそこまで面倒を見てくれません。
せいぜい音が聴けるデモ動画があったり、プロに使用感を聞いたインタビュー記事がある程度です。

iZotopeはそうした「売ったら終わり」のようなことはしていません。
プラグインの具体的な使い方についての教材をYoutubeチャンネル公式ブログなどで提供しています。
しかも動画はちゃんと講座形式になっており、一流のプロエンジニアの実演です。
もちろん動画中で使っているのはiZotopeのプラグインなので、そのまま同じ使い方ができます。

iZotope公式ブログコンテンツ「ミックスマスタリング学園」

「プラグインはあっても基本的な使い方がわからなくて結局ミキシングできない!」ということにならないのも、iZotope製品の良いところです。

売って終わりではなく、「ちゃんとミキシングができる人を育てていく」という企業の姿勢が現れていてとても好印象です。

MPSの中身で特に魅力的な製品5選

MPSの中身である各プラグインとそれらの筆者評価を述べていきます。
たくさん入っているので、独断と偏見で特に魅力的なものを5つピックアップしました。

Ozone : iZotopeを有名メーカーに押し上げた、マスタリングプラグインの超名作

OzoneはiZotopeプラグインの中でも特に強力で、歴史と定評のある製品です。
マスタリング処理のほぼ全てをこれひとつで行うことができます。

他社のマスタリング向けプラグインと差別化されているのは、AIアシスト機能とアナライザー表示です。
AIアシスト機能では「こういう感じにしたい」という項目を選び、Ozoneに聴かせると自動でマスタリングしてくれます。
アナライザー表示はカッコいいだけでなく、視覚的な確認ができる利点があります。
耳が疲れてしまった時でもマスタリングの改善点を見逃すことが無く、完成音源の品質を保つのに役立ちます。

Neutron : 基本的なミキシングエフェクトとAIアシストが調和する良作

Ozoneがマスタリングに特化している一方で、Neutronはミキシングに特化しています。
エフェクトモジュールの内容を見ると、

  • EQ
  • コンプレッサー
  • ゲート
  • トランジェントシェイパー
  • エキサイター
  • スカルプター
  • アンマスクモジュール

といった基本のエフェクトから高機能トーン調整ツールまで入っています。
少ないように見えて堅実に機能が揃っており、リバーブを除くミキシング処理はNeutronだけあれば可能です。

こちらもAIアシスト機能を含んでおり、ミキシングの基本にして意外と一番難しい部分である「各パートの音量バランス調整」を自動でやってくれます。
初心者のうちはあまり凄さがわからないかもしれませんが、何曲かNeutron無しでミキシングすると、その価値に気づきます。

とりあえずNeutronを挿して、AIアシストしておけば、最低でも100点満点中60点の状態からスタートできます。時短やミス回避の意味でもこれがデカい。

RX 10 Standard : 宅録の味方。業界標準ツールになったノイズ処理の超名作

OzoneやNeutronは「業界標準」とまでは浸透していませんが、RXは紛れもない業界標準プラグインです。
RXはノイズ除去に特化したプラグインです。

ミキシング素材が宅録(専門のエンジニアが携わらない、自宅環境でのレコーディング)などの場合は、ノイズの混入が顕著であり、その除去が欠かせません。
RXはあらゆる手段でオーディオデータ中のノイズを除去できます。

AIアシスト機能もあり、データをRXに聞かせることで自動でノイズ除去処理を適用してもらうこともできます。

Insight 2 : 見た目は地味だが測定項目最強アナライザー。マスタリングで必須級

Insight 2はエフェクトではありません。
オーディオのあらゆる要素を測定して可視化してくれる「アナライザー」です。

Insight 2は他社アナライザー製品と比較するとカラフルさに欠け、地味な見た目です。
しかし測定項目が多く用意されており、他のアナライザーでは確認できない要素も正確に確認できます。
厳密な数値管理が要求されるマスタリングでは非常に頼りになり、安心を与えてくれる存在です。

筆者イチオシのプラグインです。マスタリング時のラウドネス管理やトゥルーピーク確認で欠かせません。

bx_subsynth : 不思議なくらい音が太くなる低域特化ハーモナイザーの超名作

bx_subsynthはPlugin Allianceという別の会社の製品です。
Plugin Allianceが2023年にNative Instrumentsの傘下になり、同じく傘下であるiZotopeの製品に含まれるようになりました。

とりあえず上に載せたデモムービーを観て、音を聴いていただきたい。百聞は一見、いや一聴に如かず。
ここまで明確に音が太くできるプラグインはそうありません。
ベース、キックのサウンドメイクで活躍間違いなし!です。

筆者はbx_subsynthがMPSに入る前にその機能に惚れ込んで単体で購入していました。もったいないことに現在はライセンスがダブっています。MPSをこれから買う人は超お得です。

MPSを買う前に把握しておくべきデメリット

値段が高い。定価税込9万円以上。

MPSは「プロも使う一流プラグインメーカーの音楽製作向けバンドル」なので、当然高額です。
プラグインを定価で買わないのはもはや常識ですが、定価では93,000円前後もします。

安く買う工夫は記事の後で説明しますが、それでも数万円の出費になることは避けられません。

処理が重い。パソコンにパワーが無いと宝の持ち腐れ

iZotope製品の多くはAIアシストなど高機能である反面、それを動かすパソコンに処理能力が必要になります。
つまりあまりにも安いパソコンや古いパソコンだと、処理能力が足りずせっかくiZotopeプラグインを持っていても使えません。

手持ちのパソコンが使えるか、確かめる方法はある

iZotope製品は各プラグインを30日間無料で使うことができます。
パソコンのスペック的に使えるか心配な場合は、購入前に無料で使ってみて確認するのが良いです。

スタジオ名機のアナログシュミレート系は競合他社より弱い

iZotopeはいわゆる「スタジオ名機」と呼ばれるような、定評があるアナログハードウェアをシュミレートしたプラグインを出しません。
この分野は競合他社であるWavesやIK Multimediaが強く、敢えて競争をしていないように感じます。

UREI 1176やSSL 4000に近い音が欲しい、という場合はiZotopeではなくWavesを検討した方が良いでしょう。

この流れは少し変わりつつあり、最近提携したPlugin Allianceは名機のアナログハードウェアシュミレート製品を得意としています。数年後にはMPSがスタジオ名機のサウンドもカバーできるようになるかもしれません。

MPSを安く買うための戦略3選

Image by Michal Jarmoluk from Pixabay

MPSは「良い製品だけどそのぶん高い」と、ここまでの内容で分かったと思います。
そんなMPSをできるだけお得に買う戦略を3つ紹介します。

戦略1 : セールのタイミングを狙う

DTMプラグインは基本的にセールで買うもの、というのはもはや常識です。
値引き率は大きく、新製品でも25~35%OFF、ロングセラー品なら80~90%OFFになることもあります。

iZotopeは頻繁にセールを行うメーカーで、MPSはセール価格が適用されやすい製品です。
実際MPS6(新規購入版)も発売に伴うイントロセールで25%OFFになりました。23,000円も値引きされています。

約2万円の節約になるので、セールのタイミングを狙って買いましょう。

セールのタイミングを見逃さないためには?

当たり前ですが、セールは期間限定なので見逃してしまう可能性もありえます。
見逃さないためには、Plugin Boutiqueでアカウントを作り、ニュースレターをもらえるようにしておくと良いです。
セール開始をいち早くメールで知らせてくれます。
iZotope公式X(Twitter)のフォローや、公式サイトのアカウント作成でも良いのですが、戦略3でどのみち必要になるので作っておいて損はありません。

Plugin Boutiqueのアカウント作成はこちら!

戦略2 : iZotopeが稀に無料配布する有料プラグインからのクロスグレードを狙う

MPSは新規購入版の他に、クロスグレード版が用意されています。

これはMPS以外のiZotope有償製品を持っているユーザーが使える割引商品です。
セール時では新規購入版より1万円ほど安くなります。

ここでポイントになるのは「iZotope有償製品をどうやって手に入れるか?」です。
実はiZotopeは不定期で有償製品を無償配布します。太っ腹とはまさにこのこと。
配布対象はOzone ElementsやRX Elementsなど下級製品です。
とはいえ有償製品であることには変わりないので、クロスグレードに使えます。

有償製品を無償配布で入手し、クロスグレード版を狙うことで約1万円節約になります。

戦略3 : 購入先はiZotope公式ではなくPlugin Boutiqueにする

MPS6を購入できる場所はいくつかあります。
iZotope公式サイトはもちろん、サウンドハウス、メディアインテグレーション、Plugin Boutiqueなど。
楽器店のDTMコーナーでも買えます。楽器と違い試用は実地でなくても出来るので明確なメリット無いですが。

この中で一番お得に買えるのはPlugin Boutiqueです。(記事執筆時)
主な理由はPlugin Boutiqueの独自サービスである「Virtual Cash」と「Giveaway」にあります。

各購入先候補のメリットや特徴を比較表にまとめました。

スクロールできます
Plugin BoutiqueロゴサウンドハウスロゴiZotope Logo
購入価格通常(為替変動あり)通常通常
ポイント還元有(Virtual Cash)
本体5%前後

本体1%
購入時の特典有(Giveaway)
$19~49相当のプラグイン
購入後のサポートメールのみ(日本語可)無(メーカー直)メールのみ
その他サイトが日本語非対応paidy分割可メーカー側還元率高
お得度合5,000~8000円600円弱0円
※ポイント還元率は記事執筆時(2023年9月)にMPS6クロスグレード版を各サイトで確認したもの

比較表にすると、どこも購入価格や購入後サポートで大きな差は無いです。
ポイント還元率と特典で、Plugin Boutiqueが圧倒的にお得なことがわかります。
Giveaway特典プラグインの内容は時期で変わるので振れ幅は大きくなりますが、それを引いても明確です。

ぶっちゃけた話をすると、Giveawayの内容はプラグインが揃ってきた中級者以上にはほぼ魅力ありません。一方で初心者のような様々なメーカーのプラグインを試したいタイミングではとても魅力的です。

戦略まとめ : 全部実践するといくらお得になる?

安くお得に買う戦略を3つ紹介しましたが、この3つをフルに実践するとどれくらいお得になるか計算しました。

記事執筆時点の2023年9月はMPS6のイントロセール(10/11まで)が開催されているので、仮にその時点で買う場合を計算します。

  • 定価 : 94,500円(税込・公式サイト価格)
  • セール割引 : 70,875円(税込・公式サイト価格) → 23,625円お得
  • セール割引+クロスグレード版 : 59,200円(税込・国内代理店価格) → 35,300円お得
  • セール割引+クロスグレード版+Plugin Boutique購入 : 56,049円(税込) → 38,451円お得!
    • 内訳 : 本体購入価格 61,624円、Virtual Cash 2,782円分、特典プラグイン 2,793円分

紹介した戦略を全部使えば、定価から4万円弱お得に買うことができました。

現在は円安傾向なのでPlugin Boutiqueでの購入は不利なはずですが、それでも国内代理店などよりお得になります。

まとめ

今回はミキシングを本気で取り組み始める人たちに向けて、iZotope 「Music Production Suite(MPS)」をおすすめする理由やお得な購入方法について解説しました。

内容重要ポイントのおさらい

  • MPSなら必要なプラグインが揃っているので買い物で迷わなくて済む。無駄が無い。
  • 初心者でもAIアシスト機能使えば、ミックスマスタリングで大失敗しにくい
  • メーカーのiZotopeがミックス教材提供してくれてるから、使い方で悩まない
  • デメリットは高い、(処理が)重い、アナログシュミレート弱いの3つ
  • 自分のパソコンで動くか心配なら、30日間トライアル版でチェックできる
  • 買うならセール時にクロスグレード版をPlugin Boutiqueで。4万円弱お得。

今回の記事は以上です!
お役に立てれば幸いです。
お互いミキシング道を歩み、感動するような良い作品を作っていきましょう!

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