【現役PA解説】ライブハウスPAになりたい人へ。方法を解説。

当ページのリンクには広告が含まれています。
目次

はじめに

対象読者

  • ライブハウスのPAエンジニアをやってみたいが、どうすればいいかわからない
  • ライブハウスPAの求人を探しているが見つからない
  • 求人を見ても経験者採用ばかりで、未経験からPAをやるにはどうすればいいか知りたい

この記事からわかること

  • ライブハウスPAになる方法、おすすめ順
  • ライブハウスPAの求人の探し方
  • PA経験者になる方法
この記事を書いた人
奈沼蓮アイコン画像

奈沼 蓮

ライブハウスPAエンジニア、作編曲家、ブロガー

地元のライブハウスPAからPAを始める。現在では複数会場でPA業務を務める。この記事がこれからPAをやってみたい人への手助けになれば幸い。

ライブハウスPAになるのは難しくない

Photo by real_ jansen on Unsplash

突然ですが、ライブハウスPAになるのは決して難しくないです。
例外としては通勤できる範囲にライブハウスが無い場合です。
側から見ると技術職であり、芸術系の職種でもあるので難しそうに思われます。
しかし医者や弁護士のように特別な資格は必要なく、ライブに必要な最低限の仕事水準なら高校生でも可能です。

それでも「PAエンジニアってどうやってなった(仕事を見つけた)んですか?」と聞かれることはあります。
自分の経験や知人のPAエンジニアの話を踏まえ、その疑問に回答します。

ライブハウスPAになる方法は主に求人応募か縁故採用

ライブハウスPAの仕事に就く方法は大きく分けて2つあります。

  1. ライブハウスが出すPAエンジニアの求人に応募する
  2. ライブハウススタッフや音響関係の知人がいれば、PAの仕事が無いか聞いてみる

主に上の2つです。
それぞれ具体的な方法を見ていきます。

ライブハウスが出すPAエンジニアの求人に応募する場合

Image by Magnet.me from Pixabay

こちらですが、就活で使うような大手求人サイトには求人がまず載りません。
大手求人サイトは見る人が多いですが掲載料が発生するので、ライブハウスはそこにお金をかけません。
しかもPAエンジニアは大量採用しない職なので、大手求人サイトだと人が集まりすぎて逆に不便です。

ではどこにあるのか?というと、「音楽系専門求人サイト」か「ライブハウスのHPやSNS」です。

音楽系専門求人サイトではQsicmanとミュージックポータルがあります。

https://qsicman.com

https://musicportal.jp

この2つは音楽系に特化していることからマイナーな求人もあり、たまにチェックすると良いです。
傾向としては求人の質はQsicmanがやや高いです。
ただ必須条件などでPA経験を求められる場合が多く、募集会場は東京と大阪がほとんどです。

おすすめなのは近所のライブハウスの公式HPやSNSです。
特にお店の公式アカウントと店長のアカウントのTwitterやInstagramはフォローしておくと、PA募集に最速で繋がる可能性が高いです。

ライブハウススタッフや音響関係の知人を頼る場合

知人にライブハウススタッフや音響関係の人がいれば
「PAの仕事あったりする?」
と聞いてみましょう。
いわゆる縁故採用的なやつです。
運よくポジションが空いてる確率は低いですが、ノーリスクなのでダメ元で聞いてみる価値はあります。

この方法には大きなメリットもあり、通常経験者枠でしか採用しないようなところでも未経験から採ってくれる場合があります。
筆者が務める会場は経験者採用のみですが、PAメンバーの「大学の後輩」ということで紹介があり、その人は未経験でしたがPAになりました。
知人友人は大切にして信頼関係を築いておくと、人生のチャンスをくれたりするということです。

以上が基本的な手段です。
しかし「調べたけど近くのライブハウスではPAエンジニア足りてるっぽい」という人もいると思います。
その場合は残念ながら空きが出るまで待つことになりますが、「有利に待つ」方法があります。

求人が無ければライブハウスのブッカーになっておくと後々有利

Photo by Marissa Grootes from Unsplash

「ブッカー」というのは「ライブハウスのイベントに出演アーティストを集める職業」です。
多くの会社で言うところの営業に近い存在です。

なぜPAエンジニアになる前にブッカーをやっておくのが良いか?というと、ライブハウスの情報を圧倒的に得やすくなるからです。
ブッカーになるとライブハウスのスタッフの一員になるので、店長はもちろん、現PAエンジニアの人たちとも顔見知りになります。
つまり「PAの〇〇さんが×月に辞めるから代わりを探してる」とか、そういった情報が得やすくなります。

ブッカーのライブ当日の仕事はPAエンジニアと連携して行うことも多く、PAの仕事の理解が深まります。

ブッカーとしてちゃんと仕事をし、スタッフからの信用を勝ち取っておくとPAの仕事も任せてもらえる可能性が上がります。

ブッカーのアルバイトは月1,2回とかで始められることが多いので、コミュニケーションが苦手じゃなければおすすめできます。
PAになる下積みとしてはかなり強力な実績になります。

PA経験者になる方法

冒頭にもあるように、ライブハウスのPAエンジニアは未経験からなるのが難しい職業です。
しかしPAエンジニアは不足しがちな職業でもあるので、一度PA経験をつけてしまえば一転して有利になります。
ここからは未経験からどうやってPA経験を積むか?について解説します。
2つあるので自分に合ったもの、タイミングに合ったものを選んでください。

ライブハウス以外の場所でのPAのアルバイトをする

Photo by Thomas William from Unsplash

PAは一般に知名度の低い職種ですが、実はいろんな場所で活躍しています。

  • ライブハウス、野外ライブなどの音楽イベント
  • 劇場や舞台(演劇、お笑い)
  • デパートのイベントスペース
  • 講演会
  • 大人数の会議
  • 結婚式場
  • 地域のお祭り(花火大会とか)

音を拡大・拡散して聴衆に届けることがPAの役割なので、人が集まる場所にはほぼ必須の職種です。

ここからが本題ですが、「ライブハウス以外のPAエンジニアは未経験からでもなりやすい」です。
特に結婚式場、お笑い劇場は毎日のようにPAが必要な場所なのでアルバイト募集をよく見かけます。
しかも競争率は高くないので、ある程度真面目に面接に取り組めば採用は勝ち取りやすいです。
つまり「ライブハウス以外の場所でもPA経験は積める」ということです。

実際、私の後輩のPAエンジニアには「お笑い劇場でのPA経験がある」という実務経験で応募必須要件を突破してきた人がいました。
ライブハウスのPAになれるかなれないかは「音楽的なライブミックスの技術の良し悪し」よりも「理系的に考え、複雑な音響システムを混乱せずに使えるか」の方が重要なことも事実です。
ミキサーを含む音響システムを使ったことがある、というのは大きな差別化になります。

音楽・音響系の専門学校、音大、音響を研究している大学に通う

Photo by Dom Fou from Unsplash

現在高校生だったりして若い人なら教育機関で基礎から学ぶのもアリです。
お金と時間はかかりますが、先生がついてじっくり学ぶことができます。

この方法は「仕事のプレッシャーとは無縁に落ち着いて技術を学べる」のが最大のメリットです。
いきなり本番のライブのPAをやるとなると、かなりのプレッシャーや緊張があります。
出演アーティストにとってやり直しの効かない大事な場面です。
不備や失敗があればアーティスト、来場者など多くの人に悪い印象を与えてしまいます。

そのため本番のプレッシャーや緊張にとても弱い人は専門学校や大学などの教育機関で経験を積んでおき、機材操作やトラブル対応に慣れておくのがオススメです。
学校の授業なら失敗しても学びのうちです。責任は監督者である先生がとります。
こういうのは学生の特権なので、活用できる人は活用しましょう。

教育機関での音響やPA経験は実務経験では無いものの、評価は良いです。
私の感覚ですが、中小規模のライブハウスでは専門的な音響教育を受けずにPAをやっている人はそれなりにいます。
物理学の波や電磁気の知識はすぐには役に立ちませんが、PAは音や電流を扱う職業なので切っても切れない知識です。
具体的には音響トラブル対応や機材メンテナンス、機材更新の時の機材選定などで物理学の知識があるか無いかは差が出ます。
(ちなみに多くの音響機材の説明書やエラーメッセージは英語なので、ある程度英語ができることも有利になります。)

以上の理由で教育機関でPA経験を積むのもそれなりにおすすめできます。

まとめ

今回の記事では「ライブハウスPAになる方法、未経験からPA経験を積む方法」について解説しました。

要点をまとめると

  • 求人を探すなら音楽系求職サイト
  • 今は求人が無ければブッカーとしてスタッフになっておくと有利
  • 未経験からPA経験積むなら、劇場や結婚式場などライブハウス以外からスタート。ハードル低め。
  • お金と時間があるなら専門学校や大学で学ぶのもアリ

こんな感じでした!

今回の記事は以上です。
お役に立てれば幸いです。

コメント

コメントする

目次