音楽×NFTは既に始まっている。活用方法、収益方法を解説

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目次

対象読者

  • NFTが音楽にもたらした現在の変化を知りたい人
  • NFTを利用して楽曲を販売したい人
  • NFTについて知りたい、情報を集めている人

この記事からわかること

  • NFTとは何か
  • NFTの機能と活用方法
  • NFTを利用した取引ができるマーケットやサービスの例
  • NFT取引のリスク

そもそも「NFT」とは何か?どこに価値があるのか?

NFTはNon-Fungible Tokenの略語です。
直訳すると「代替不可能なトークン」という意味になります。
トークンは色々な意味がありますが、「しるし、証拠、記念品、代用硬貨(紙幣)、引換券、商品券など」の意味の言葉です。

NFTは「実体を持たないデジタルデータ」ですが、「代替不可能」という部分で価値が生まれます。
現在多くのデジタルデータは完全なコピーができるので「代替可能」です。
オリジナルがオリジナルであることに価値はありません。
曲でいうなら「アーティスト自身がDAWから書き出したオーディオデータ」も、「誰かがそのオーディオデータをコピーしたもの」も同一のものです。
このことがNFTの活用によって少し変わってきます。
NFTはデータと関連づけることにより、「このオーディオデータは『オリジナル』です」という証明ができます。
これにより単なるコピーとの区別が生まれます。
またNFT自体は「代替不可能(コピー不能)」なので不正にオリジナルが量産されることはありません。
NFTは仮想通貨(暗号資産)同様にブロックチェーン上の存在であるため、複製や改ざんができなくなっています。

NFTができる証明は『オリジナル』だけではありません。
本物、正規版、限定版などの証明に使うこともできます。
骨董品でよくある「鑑定書」のイメージが近いです。
今まではこうした証明は実物(データではなく実体を持ったもの)だけができましたが、NFTによりデジタルデータでもできるようになりました。

つまりNFTとは「関連するデータを証明するもの」として大きな価値があります。

NFTが生むデジタルアートの新たな収益方法

NFTを通じて作者が継続的な直接収入を得る仕組みづくりができる

今までは作曲家が楽曲により利益を得ることができるのは、印税や買い切り、使用料といった形のみでした。
限定盤のCDが中古で販売されてもその売り上げから作曲家が収益を得ることはできません。

https://twitter.com/sekiguchiaimi/status/1397415880963751937
せきぐちあいみさんの実際のツイート

この状況がNFTを活用することで変わります。
NFTは作成時にプログラムを書き足すことによって「機能を付加すること」ができます。
専門的には「プログラマビリティ(プログラム可能性)」と言います。
現在注目されている使われ方として「2次流通時以降、売り上げの一部を作者に支払う」というプログラムがあります。
つまり中古でCDが売れた時も作者に利益が入るようになります。

この仕組みは既に始まっており、音楽分野ではありませんがVRアートの分野で「せきぐちあいみ」さんが導入し収益を得ているケースがあります。

NFT自体の売買取引ができる

NFTは「所有者(オーナー)は誰か」の情報を持っており、その権限を取引することができます。
これによってNFT自体の売買や寄付、相続もできます。

またNFTはブロックチェーン上のデータであるため偽造や改ざんの心配がありません。
骨董品と違い、贋作を買ってしまった!ということは起こりません。

楽曲をNFTに関連づけるサービス

OpenSea

OpenSeaのロゴ画像
引用元 : https://opensea.io

NFTの流通において最も代表的なサービスプラットフォームがOpenSeaです。
公式ページによれば世界初&世界最大のNFTマーケットプレイスです。
先ほど挙げたせきぐちあいみさんもこのOpenSeaで作品を販売しています。

私はまだ利用していないので詳しくは分かりませんが、アカウント作成ののち、出品はもちろん、作品へのNFT関連付けもOpenSea内のサービスでできるようです。

Musicカテゴリーに「Imogen Heap」の名前があります。グラミー受賞の超大物アーティストも参加している。
OpenSeaの規模や存在感が大きいことがわかります。

SBINFT(旧 : nanakusa)

nanakusaのロゴ画像
引用元 : https://nanakusa.io

SBINFT(旧 : nanakusa)は日本のクリプトアーティスト登録制NFTマーケットプレイスです。

楽曲をNFTに関連させるには、「公認クリプトアーティスト」として審査に受かる必要があります。

定期的に公認クリプトアーティストを募集しています。
第一回募集が3月15日~3月28日、第二回募集が5月27日~6月9日です。

価格が決められているもののほか、オークション形式での販売もあります。

The NFT Records

The NFT Records ロゴ画像
引用元 : https://sakuragate.jp/

The NFT Recordsは株式会社サクラゲートという会社が運営する音楽専門マーケットプレイスです。
2021年4月3日からスタートした新しいサービスです。

アーティスト向けの案内があり、サービス利用にはアカウント作成が必要のようです。
しかし記事執筆時(2021年6月8日時点)ではアカウント作成フォームが無いです。
まだ一般向けには動いていないということでしょうか。

運営元が日本の会社なので日本語でのサポートに期待できそうです。

アップデート情報はメールマガジンかTwitterで発信しているようなので、興味がある人はチェックしてみてください。

https://twitter.com/TheNFTRecords

NFTの懸念点は価値保存性と法整備

Photo by Markus Spiske on Unsplash

NFTは関連先のデータのコピーはできる

NFT自体はコピーができませんが、関連づけたデジタルアート(楽曲データなど)はコピーができます。

オーディオデータなどは詰まるところ0と1の信号の塊なので、性能面ではコピーもオリジナルも差はありません。
「NFTありの作品」も「NFTなしのコピー作品」も性能面では差がないので、オリジナルの価値は消失の恐れがあります。

今後NFTのプログラマビリティの性質を活用し、「再生するにはNFTが必要なオーディオデータ」みたいなものが出てくる可能性はあります。

まだ資金決済法で保護されていない

NFTと同様のブロックチェーン上の存在である仮想通貨(暗号資産)は資金決済法により法律が整備されつつあります。
一方でNFTはまだ法の上で「暗号資産」としては認められていません。

これは「何らかのトラブルが起きても法が守ってくれない」という状況を指します。

今後NFTの存在感が高まっていけば法整備されていくでしょうが、現在ではトラブルに注意する必要があります。

まとめ : 現在NFTは黎明期~成長期。早期参入もあり。

今回の記事ではNFTの音楽分野での利用方法を解説しました。

まとめると、

  • NFTは「偽造不能の証明書」の役割を果たすデジタルデータ
  • NFT自体の所有権の取引や、NFTを関連付けた作品の取引から手数料を取ることもできる(アーティストの収益方法が増える)
  • 代表的なサービスはOpenSea、国内ではnanakusa、音楽分野特化ではThe NFT Records(一般向けは準備中の模様)
  • 現在はまだ価値保存性のリスク、法が未整備であるリスクがある

今回の記事は以上です。
お役に立てれば幸いです。

付録 : 参考資料

今回記事を書くにあたり参考にしたページ、今後の更新情報チェック先をまとめておきます。

参考にしたページ

FinTechJournal 「NFTとは何かを基礎から徹底解説、なぜデジタルデータに数億円の価値が付くのか?
SPINNUP 「NFTはアーティストやミュージシャンにどんな影響をもたらすのか?」(2022年10月現在ページ閉鎖)

更新情報チェック先

nanakusa関連
nanakusa公式アカウント https://twitter.com/nanakusa_io
nanakusaプロデューサー コウ氏のアカウント https://twitter.com/nilforce

The NFT Records関連
The NFT Records公式アカウント https://twitter.com/TheNFTRecords

OpenSea関連
OpenSea公式アカウント https://twitter.com/opensea

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