対象読者・想定読者
- カラオケで歌いたい曲があるが、デンモクで探しても無い(instrumentalなどオフボーカルの音源はスマホなどに持っている)
- 自作曲やバンドの曲のボーカル練習をカラオケでしたい
この記事からわかること
- カラオケルームにあるカラオケ設備を使って自分で用意した曲をスピーカーで流す(いわゆる持ち込みカラオケ)の方法
- 持ち込みカラオケをするのに必要なもの
持ち込みカラオケの設定は手順自体は簡単です。
中学生くらいの知識や判断力があれば問題なく設定することができます。
今回紹介する方法は配線や音量設定をよく確認した上で自己責任で行ってください。
大きく間違った使い方をするとスピーカーから爆音が出たり、それによってお店のスピーカーが壊れてしまうことがあります。
用意するもの

- カラオケのスピーカーから流したい曲が入った音源機器(スマホやiPodなどの音楽プレーヤー。パソコンでも可能)
- 音楽プレーヤーとカラオケセットのパワーアンプを繋ぐケーブル
これだけです。ケーブルを除き、特別なものは必要ありません。
音楽プレーヤーによって使えるケーブルは変わる可能性がありますが、大体の場合は「ステレオミニフォン – RCAオス」のケーブルが使えます。一例を下に載せます。
解説抜きで手っ取り早く方法を知りたい人へのまとめ
この後続く解説が長くなってしまったので、読むの面倒になってしまわないようここで結論を先にまとめます。
実質たったの簡単3ステップです。
音響機材保護のため、パワーアンプのボリュームを下げておきます。
これ忘れると最悪の場合スピーカーが壊れます。
「用意するもの」の写真右側のケーブルを使って、スマホなどの音楽プレーヤーとパワーアンプを繋ぎます。
「パワーアンプ」ってどれのことか分からなかったり、パワーアンプのどこに繋げばいいか分からない場合はこの後の解説に書いてあります。
STEP1で下げたパワーアンプのボリュームを戻します。
これで音楽プレーヤーを再生するとカラオケ設備のスピーカーから音が出ます。
これだけです。
これだけの説明では分からない場合や、この通りやっているけどうまくいかない場合はこの後の詳しい解説も必要なところを探してみてください。
実際に行う前に理解しておく「カラオケセットの仕組み」の一部
よくわからない部分が多すぎるとミスにつながりやすいので、本当に必要な部分だけわかりやすく解説します。
カラオケセットは「カラオケ音源本体(DAM, JOYSOUNDなど)」、「パワーアンプ」、「スピーカー」、「マイク」、「リモコン(デンモクなど)」、「モニター(テレビなど映像を映すもの)」から成り立ちます。
今回注目するのは「カラオケ音源本体」、「パワーアンプ」、「スピーカー」の部分です。
他の要素はいじる必要がないので解説から省きます。
(いじると思わぬ別の問題を引き起こす可能性があるので興味本位でいじらないようにしましょう。)
普通のカラオケセットでは「カラオケ音源本体」から楽曲のオーディオ信号を「パワーアンプ」に送り、パワーアンプ内でオーディオ信号を増幅してその信号を「スピーカー」に送り、鳴らしています。

(画像引用元 : 第一興商公式サイト https://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/
カラオケに入っていない曲をスピーカーから流すには、その曲が入った音楽プレーヤーをパワーアンプに繋ぐことが必要です。

(一部画像引用元 : 第一興商公式サイト https://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/
これで事前知識の解説は終わりです。
ここから実際の手順を紹介します。
詳しめ解説 : カラオケに入っていない曲をスピーカーから出す手順
ここからが本題です。
使う音楽プレーヤーやカラオケセットのパワーアンプの種類は色々ありますが、今回は「iPhone」とLIVE DAM Aiの推奨パワーアンプ「DAM-AD8000」を具体例にして解説します。(この組み合わせで利用する人が多そうなのが主な理由です)
機種が違う場合、接続端子の位置など細かい部分は異なる可能性がありますが、書いてある表示を見れば「役割が同じ部分」を見定めることは難しくないはずです。
1.アンプの「マスター音量調整つまみ」の位置を記録しておき、一度「0(最小・ミュート)」にする
まずカラオケセット正面から見えるパワーアンプ正面の「マスター音量調整つまみ」がどの位置になっているか確認し、忘れないように記録しておきます。(スマホで写真を撮るなど)

(画像引用元 : 第一興商公式サイト https://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/
「標準のセッティングではマスター音量調整つまみがどの位置になっていたか」はこの後の「音量調整」や「退室時の現状復帰」に必要な情報なので必ず記録しておきましょう。
マスター音量調整つまみの位置を確認・記録したら、一度そのつまみでマスター音量を「0(最小)」にしておきます。
これはこの後のiPhoneの接続時に流れる電流でノイズが発生しないようにするためです。(これをちゃんとやっとかないとこのノイズによる爆音でスピーカーや聴覚を傷める可能性もあります。)
ここで「0(最小)」にするボリュームは「パワーアンプのマスターボリューム」です。
「カラオケ本体(DAMやJOYSOUND)のボリューム」を0(最小)にしても意味が無いので間違わないよう注意してください。
2.音楽プレーヤーとパワーアンプをケーブルで繋ぐ
音楽プレーヤー(iPhoneなど)とパワーアンプ(DAM-AD8000など)では「3.5mm ステレオミニ(オス) – RCA(オス)のケーブル」を接続に使います。
ケーブル長さは2~3mあれば充分です。長い分にはあまり支障ありませんが、0.5mでは今回の場合短すぎるので注意です。
製品の一例としてはこういうものです。
3.5ステレオミニの端子をiPhoneのステレオミニジャックに挿します。
iPhone側がLightning端子しかない場合は変換ケーブルを使ってください。
このとき音楽プレーヤー側のボリュームは「0」にしておきます。ノイズ発生のリスクを避けるためです。
カラオケセットの背面が見える位置に移動します。必要ならカラオケセットの載っている台を少し動かします。
ケーブルのもう一方RCA端子側をパワーアンプ背面の「音声入力端子の使ってない方」に挿します。

(画像引用元 : 第一興商公式サイト DAM-G100W
取扱説明書 https://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/products/g100w/DAM-G100W_v01.pdf)
(具体例のパワーアンプDAM-AD8000では音声入力端子が2セットあり、うち1セットはカラオケ本体が接続されています。)
目安ですが、説明書では「音声入力A」がカラオケ本体に接続されているので、「音声入力B」が空いている可能性が高いです。
RCAケーブルの先端は赤いものと白いものの2種がありますが、赤いものは赤い入力端子に、白いものは白い入力端子に挿せばOKです。(仮に反対に挿してもLRが反転するだけなので事故にはなりません)
これで音楽プレーヤーとパワーアンプの接続が終わりました。
3.ちゃんと音が出るかボリュームを少しずつ上げてチェック
先に音楽プレイヤーのボリュームを少しずつ上げていきます。
大体8割くらいまで上げておくのがおすすめです。
この時はまだ音がスピーカーから出ないはずです。パワーアンプのボリュームが「0」になっているので。
次にパワーアンプのマスターボリューム調整つまみでボリュームを少しづつ上げていきます。
この時は徐々にスピーカーから音が出てくるはずです。
ちょうど良いくらいの音量が出るようつまみで調整しましょう。
これで目的達成です。
4.(退室時)配線やつまみの設定などを入室時状態に戻す(現状復帰)
退室時は配線やマスターボリューム調整つまみなどを元に戻す必要があります。
配線を抜くときもノイズは発生するので、この時もパワーアンプのマスターボリュームは「0」にしておく必要があります。
具体的な手順をまとめると、
- 音楽プレーヤーのボリュームを「0」にする
- パワーアンプのマスターボリューム調整つまみを「0」にする
- 接続に使った3.5mm ステレオミニ – RCAケーブルを抜く(音楽プレーヤー側、パワーアンプ側両方)
- パワーアンプのマスターボリューム調整つまみを入室時の位置に戻す。(記録で確認する)
これで安全に元通りにすることができました。
おつかれさまです。
うまくいかない場合のチェック項目
「ここに書いてある通りにやったはずなのにスピーカーから音が出ない!」という場合、落ち着いて次の項目を確認してください。
チェックの過程でケーブルを抜く場合はパワーアンプのマスターボリュームを「0」にしてください。
- 音楽プレーヤーのボリュームは十分に上がっている
- パワーアンプのマスターボリュームは十分に上がっている
- 音楽プレーヤーは故障していない(イヤホンなどを挿すと音は聞こえる)
- パワーアンプの電源は点いている(カラオケセットを動かした拍子にコンセントが抜けてしまった可能性がある)
- 持参した3.5mm ステレオミニ – RCAのケーブルは断線などの故障をしていない(古いものだと断線の可能性がある)
- RCA端子(赤・白)は2本ともパワーアンプの「音声入力」に接続されている
- カラオケセット(カラオケ本体やマイク)は通常通り使える(入室時から何か不具合があった可能性)
上の条件を満たした上で「それでも音が出ない」という場合はオーディオや機械、DTMなどに詳しい友人にこのブログ記事を見てもらい、協力を求めましょう。
くれぐれも無理は禁物です。音響事故やカラオケ設備の故障の恐れがあります。
まとめ : 手順自体は簡単で時間はかからないが、音響事故には注意
今回の記事では
「カラオケに入っていない曲を持参した音楽プレイヤーなどを用いてスピーカーから出す方法(持ち込みカラオケ)」
について解説しました。
基本的には「ケーブルを用意して音楽プレーヤーとパワーアンプを繋ぐだけ」です。
注意事項や事故防止のための手順を盛り込んだため、やや長くなりましたが本質部分は至ってシンプルです。
今回の記事は以上です。
お役に立てれば幸いです。一歩進んだカラオケライフをお楽しみください。
商品紹介・参考資料
パワーアンプ公式背面図(Cyber DAM + 公式商品紹介ページ)
: https://www.dkkaraoke.co.jp/business/karaoke_service/products/g100w/
取扱説明書が載っており、そこにパワーアンプ(DAM-AD8000)の背面図も載っています。
下調べに使える資料なので紹介します。
Youtube 第一興商ライブダムXG-5000配線接続手順
「カラオケ流通センター」というチャンネルがカラオケの業者向けに配線接続方法を解説している動画です。
XG-5000は数年前の機種なので直接の参考にはなりませんが、カラオケセット背面の仕様は大きく変わっていないので実際の様子がかなり掴みやすいです。
これも下調べ資料として有用なので紹介します。
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