はじめに
対象読者
- アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の登場製品と同じ物が欲しい人
- 登場製品と同じ物を買おうか検討中だが、製品の評判をライブPA(音響)の人から聞いてみたい人
この記事からわかること
- 作中登場製品のモデル元だと考えられる製品
- 実際にライブの現場で使い、音を聞いている筆者の所感と評価
- その製品がどこで買えるのか、おすすめの購入先はどこか
- その製品が売り切れている場合、代わりの製品でおすすめは何か
奈沼 蓮
ライブハウスPAエンジニア、作編曲家、ブロガー
ライブハウスにお世話になってるひとりとして、「ぼっち・ざ・ろっく!」のことを盛り上げたいと思っている。
この記事が誰かの音楽を始める助けとなれば幸い。
ちなみに作中のPAさんとは異なり、高校は普通に卒業した。
今回の記事は「ギター&ベース機材編(アンプ、エフェクターなど)」です。
「楽器編(ギター、ベース、ドラムなど)」は記事を分けております。そちらを知りたい方はこちらへ↓。
今回の記事で紹介した製品のサウンドを手頃に入手できる裏技的情報も紹介しています!
ぼっちちゃんのサウンドが欲しい人は以下の関連記事をどうぞ!
登場製品のモデル元特定は記事執筆時期である2023年の仕様を基に行なっております。
今後メーカー側の製品仕様変更などにより、外観が変更される可能性があります。
予めご了承ください。
作中における全体的な機材選定の印象
楽器や機材の選定はかなりまとも。わかってる人が監修してる。
音楽アニメに限らず、アニメやゲームではしばしば現実離れした楽器や機材の選定、それらの使用がみられます。
しかし「ぼっち・ざ・ろっく!(以下ぼざろ)」では、作中全体を通して現実的に理に叶った適切な製品選定がされています。
むしろ女子高生が使っているとは考えにくいほど、良い製品が選ばれている部分もあります。
音響エンジニアの筆者としてはツッコミどころが少ないので、記事のパンチが出なくてさみしくはあります。
一方でぼざろでバンドに興味を持って「音楽を始めよう!」とする人にとってはとても良心的です。
楽器協力メーカーによる登場製品の偏りはある
上の画像はアニメエンディングのクレジットです。
楽器協力の項で楽器メーカーや楽器店の名前が並んでいます。
アニメは宣伝効果がある物なので当然ですが、作中の登場製品はこれらのメーカーの製品がほぼ全てです。
少なくとも個人で所有するような製品(ギターやポータブルアンプなど)はこれらのメーカーです。
GibsonやYAMAHAやRolandやFujigen以外にも、良いギターやベースやアンプを出しているメーカーはあります。
しかし作中にはほぼ登場しません。
登場製品のメーカーは製品の品質や信頼において、文句の無いクオリティです。
一方で実際に購入を検討する際は盲目的になりすぎず、他楽器メーカーの製品も検討することをおすすめします。
この先から本題です。
機材毎に解説していきます。
ギターアンプ&ベースアンプ製品推定&レビュー
YAMAHA THR5 : エレキギター自宅個人練習に特化した小型アンプ
- 特徴的な正面のパネルデザイン
- エレキギター用途
- トップパネルのツマミの数が7。(似ているTHR10はツマミの数は10)
- YAMAHAは本作楽器協力メーカー
ぼっちちゃんが自宅で個人練習用に使っているギターアンプです。
スピーカー出力は10Wなので、大音量が不要な自宅練習用には最適なサイズです。
チューナーとオーディオインターフェース機能付き
ギター練習にはチューナーが欠かせませんが、なんとTHR5にはチューナー機能が内蔵されています!
THR5だけ買えばチューナーは買わずに済みます。
またUSBケーブルでPCと繋ぐことでオーディオインターフェースとしても使えます。
作中でぼっちちゃんはマイクなどの録音機材を使っていなかったので、ギターヒーローの動画の録音はTHR5で行っていると考えられます。
チューナーだけじゃなく、オーディオインターフェースも買わなくて済むのはなかなかの活躍です。
超人気アンプMarshall, Mesa-Boogie, Fenderのアンプの音が出せる
YAMAHA THRシリーズの大きな売りは人気で定番のアンプの音がシュミレーションできることです。
THR5はシュミレーション対象が少なめですが、パワー側の真空管に「6L6」と「EL34」をシュミレートできます。
これが何を示しているかというと、同じパワー側真空管を持つギターアンプの音を出せるということです。
- 6L6を採用している有名ギターアンプ : Mesa-Boogie, Fender
- EL34を採用している有名ギターアンプ : Marshall
各メーカーのギターアンプを買い揃えようと思ったら30万円は軽く超えます。
もちろん音や操作性は完全に同じでは無いですが、2万円台でかなり近い音が出せるのは大きなメリットです。
ロックギタリストの個人練習に魅力的な機能であることは間違いありません。
\ チューニングも録音もできて、超人気アンプ3社の音も鳴る個人練習特化アンプ /
筆者は仕事でTHRシリーズのアンプを使ったことがあり、本物のMarshallもMesa-BoogieもFenderも聴いたことがあります。
聴いて比較した感想としては、THRの音は各有名ギターアンプの音の特徴を持つことに加え、クリアでフレッシュな音がします。
歴史あるギターアンプの古き良きサウンドの柔らかさや古臭さは控えめで良い、というならTHRシリーズは超おすすめできます。
YAMAHA THR30II Wireless : ベース路上ライブも可能な30Wポータブルアンプ
- 特徴的な正面パネルデザイン
- 路上ライブでベースが使うという場面(似ているTHR10IIではスピーカーサイズがやや不利)
- YAMAHAは本作楽器協力メーカー
路上ライブで廣井きくりが使っていたギターアンプです。
ギターアンプとして定評がありますが、ベースアンプとしてのモードも搭載しています。
製品名にあるとおり、Wirelessに対応していますが有線でも使えます。
重量4.3kgしか無いのにベースにも対応
路上でギターを弾く人はそれなりに見かける気がしますが、ベースを弾く人はほぼ見かけません。
楽器としてのプレイヤーの多さも理由のひとつですが、音響的な課題もあります。
ひとつは「ベースの本領である低音は小型アンプでは出しにくい」ことです。
建物が揺れるような低い音を出す楽器、例えばコントラバスやバスドラム、チューバは楽器自体が大きいです。
これは低音を出すためには大きく、かつ重量を持つ構造が必要なためです。
この記事でものちにAmpeg SVTシリーズが登場しますが、エレキベースで使うベースアンプもギターアンプより2 ~ 3倍くらいサイズが大きくなります。重量も2倍は超えます。
つまり路上でベースがライブしようとすると、アンプが大荷物になってしまい負担が大きくなります。
ふたつめは「ベースの低音は大きなスピーカー出力を求められる」ことです。
多くのベースアンプは大きくて重い分、振動させるにも多くのエネルギーが必要になります。
つまりかなり電力を喰います。
ライブハウス用のギターアンプなら100Wもあれば十分ですが、ベースアンプなら300Wは最低でも欲しいところです。
このためポータブルアンプを作ろうとすると、大きなバッテリー容量が必要となり重くなっていまします。
すると今度は重さゆえにポータブルではなくなってしまう板挟みです。
これら2つの問題を乗り越え、THR30IIはベース対応のポータブルアンプであるところが驚くべきところです。
このサイズで4弦ベースの最低音(41Hz)を出すのは物理的に困難なので、倍音部分を使った聴感上の錯覚をうまく使っていると考えられます。
※YAMAHA公式サイトの仕様ページには再生周波数帯(スピーカーでまともに再生できる周波数幅)の記述はありませんでした。
THRIIシリーズ最高のシュミレート幅。ポケモンでいうメタモン。
前出のTHR5にもあったアンプシュミレートのバリエーションが、THR30IIではさらに充実しています!
6L6, EL34に加え「EL84」、「6550(KT88)」の2種類が追加されました。
- EL84採用のギターアンプメーカー : Vox, Orange, Hughes & Kettner
- 6550(KT88)採用のギターアンプメーカー : Bogner, Hiwatt, VHT, Marshall(ジミヘンモデル)
カバー先のアンプメーカーは計9社となりました。
ロックだけでなく、ジャズやメタルで定評のあるメーカーまでカバーしています。
変幻自在でもはや「ギターアンプ界のメタモン」といえます。
\ ポータブルなのに人気ギターアンプ9社シュミレート&ベースにも対応! /
Roland CUBE Street : 15時間使える路上ライブ特化型多機能アンプ
- 正面外観
- 上面パネルのコネクタ配置
- Rolandは本作楽器協力メーカー
路上ライブでぼっちちゃんが使っていたギターアンプです。
現在は販売終了しており、後継製品としてRoland内のブランドであるBOSSからCUBE Street IIが販売されています。
\ 後継機種はこちら!充電池対応&スピーカーパワーアップ!/
単三電池6本で15時間鳴らせる省エネ設計
CUBE Streetはなんとアルカリ単三電池6本で駆動します。しかも最大15時間も。
スピーカー出力は計5Wなので数字だけみるとやや弱めに感じますが、新しめの製品なので効率よく電力を音にしているのだと思います。
ちなみに後継機種のCUBE Street IIは充電式ニッケル水素電池8本で駆動時間最大10時間になりました。
その代わりスピーカー出力が10Wにアップしており、パワーと引き換えに持久力が落ちた仕様になっています。
チューナーとアンプモデリング搭載。中でもJazz Chorusは魅力で差別化要素。
CUBE Street内にチューナーが内蔵されてます。
路上に出てきてからチューナー持ってくることを忘れてても大丈夫です。
アンプモデリングもありますが、YAMAHAのTHRシリーズにはバリエーションで劣ります。
しかしTHR側にはない「JC Clean」のモードがあり、Rolandギターアンプの超定番JC-120のモデリングがあります。
ここがひとつ差別化できてる魅力になっています。
JC-120は次の項で詳しく紹介します。
ちなみに後継機種のCUBE Street IIではUSBオーディオインターフェース機能も追加されました。
路上だけでなく、自宅での練習や録音にも対応した仕様になりました。
Roland JC-120 : 50年近く愛され続ける超定番トランジスタギターアンプ
- 特徴的な外観
- ライブハウスや練習スタジオの定番製品
- Rolandは本作楽器協力メーカー
練習スタジオで登場したギターアンプです。
次に紹介するMarshall JCMシリーズと並び、ギターアンプとして定番中の定番製品のひとつです。
バンド演奏ができるライブハウスやスタジオなら間違いなく置いてあります。
最大の魅力はトランジスタならではの綺麗なクリーントーン
ギターアンプの世界的名作は増幅回路が真空管のことが多いです。MarshallもFenderもです。
しかしこのJC-120は例外的に増幅回路にトランジスタを採用したギターアンプです。
そのためJC自体の歪みのサウンドはギター向きでは無いものの、クリーン(歪ませない状態のサウンド)は他アンプでは出せない輝きがあります。
これが人気の理由のひとつです。
加えてクリーントーンと相性のいいコーラスエフェクトも内蔵されており、歴史的名作と言える完成度です。
内蔵されたコーラスユニットはあまりに人気すぎて「CE-1」というエフェクターにもなっています。
現在CE-1は販売終了していますが、BOSSブランドから5代目の後継機種「CE-5」が存在します。
\ 人気が出過ぎてJC-120から単独製品化したコーラスエフェクト! /
堅牢&長寿命。この点でもトランジスタが有利要素。
筆者の知る限り、ギターアンプが故障する理由で最も多いのは真空管の劣化です。
ギターアンプの多くは電気製品として見ると昔ながらのシンプルな設計なので、あまり壊れません。
しかし重要な部品である真空管は劣化が早く、10年~20年で寿命がきます。
その点でJC-120は真空管ではなくトランジスタを採用しているので、壊れにくさで有利です。
筆者の仕事先のライブハウスのひとつにJC-120の「中期モデル(おそらく1988年製)」があります。しかも現在も普通にライブで使われています。
35年モノですがまともに動くあたり、驚きの耐久性。
\ クリーンとコーラスで50年愛され続けるギターアンプの歴史的定番!/
Marshall JCM900 & 1960A : 真空管ギターアンプの超定番セット
- ライブハウスや練習スタジオの定番製品
- 外観。隠す気のないメーカーロゴ。
- Marshallの日本取扱はYAMAHAが行なっており、本作楽器協力メーカー
作中では練習スタジオ、スターリーのステージ、文化祭ステージで何度も登場したギターアンプヘッド&キャビネットです。
登場頻度が多すぎるように感じますが、実際現実でもそれくらい見かけます。圧倒的なシェアです。
JCMシリーズは販売終了。でも使える会場はたくさんある。
残念ながらJCM900は既に製造されなくなってしまったようです。
Marshall公式のカタログにも載っていません。
新品の入手は絶望的ですが、超定番製品のためバンド演奏ができるライブハウスやスタジオにはまだまだ残っています!
見つけたら「ジューシー」と表現されるその歪みサウンドを体感してみてください。きっと歴史的人気に納得します。
正統な後継機種の位置付けの物が無いようですが、Marshallは現在「JVMシリーズ」をフラグシップモデルとしており、今後のMarshallアンプの定番はこちらに移っていくと考えられます。
中でもJVM210HはJCM900と同じく2チャンネル搭載で100W出力を持っており、仕様が近いです。
\ 圧倒的シェア率を誇るMarshallのモダンシリーズ /
\ こちらは現在も販売中!ロックギターキャビネットの超定番製品 /
Ampeg SVT-350 & SVT-610HLF : 繊細な2種のEQを搭載したベースアンプの雄
- デフォルメされたAmpegのロゴと位置
- ジャックやツマミ、スイッチの配置
- リョウの身長(163cm)を比較対象とした時の製品の高さ
- パワーアンプ側出力とキャビネット側許容入力のマッチング
- 用途が練習スタジオなのでそれに合わせた出力
- Ampegは本作楽器協力メーカーのYAMAHAが日本販売代理店
ベースアンプはギターアンプの状況と異なり、「定番」といえる製品がありません。
Ampeg, Hartke, Trace Elliot, Aguilarなどのメーカーがスタジオやライブハウス常設機材のシェアを争っています。
とはいえ、その中でもAmpegはやや優勢な印象はあります。
アニメに採用されている要因としてはYAMAHAが日本販売代理店であることが大きいです。
SVT-350は販売終了。でも使える会場はまだまだある。
SVT-350は現在販売終了してしまっているものの、今でも多くのスタジオやライブハウスにあります。
Ampeg SVTシリーズは1969年に発表された歴史ある画期的高出力のベースアンプです。
SVTはSuper Vacuum Tube(直訳すると「超真空管」)の略からきています。
現在ではSVT-CLという後継製品が出ています。
音色に影響する内部パーツはほぼ変わらず、外部機器と接続するコネクタなどが現代的な仕様に変更しているようです。
本体にイコライザが2種類搭載されていますが、どちらも効きは穏やかで微調整向きです。
ロックにおいて真空管的な歪み方をするのは、同じく真空管アンプであるMarshallと音色の相性の良さがありメリットです。
\ SVTシリーズの後継製品はこちら!/
キャビネットは現行製品。ホーンとバスレフ装備で広い周波数の再現力を持つ。
キャビネットのSVT-610HLFは現在も販売されています。
6つのドライバー、1つのホーンドライバー、フロントバスレフポートを持っており、ベースアンプとしてバランス型の設計です。重量が49.9kgあることも有利に働きます。
キャスターもついていて移動や向き変更がしやすいのも、ライブハウスやスタジオに好まれています。
\ こちらは現在も販売中!ベースのサウンドを幅広くカバー /
余談ですが、こんなに重くて大きなベースキャビネットでもベースの最低音付近の周波数(41Hz)までは完全にカバーしていません。(SVT-610HLFの周波数特性は53~18kHz)
ライブPAのベース収音でDIが併用されるのはこの辺りの事情も理由のひとつです。
ギターエフェクター(&パワーサプライなど関連モジュール)製品推定&レビュー
BOSS(Roland) Blues Driver BD-2 : リメイクも出たオーバードイブの名作
- 外観のカラーとツマミの配置
- 踏んだ前後の音色の変わり方
- Rolandは本作楽器協力メーカー(BOSSは現在Rolandの製品ブランドのひとつ)
8話でぼっちちゃんが決意と共に踏み込んだストンプボックスタイプのギターエフェクターです。
印象的なシーンで使われていたので記憶に残っている人も多いかと思います。
作中登場シーンではツマミのカラーや踏み込みスイッチの形式が違うように描かれています。
他の機材と異なり、BD-2だけあまり忠実に描かなかった理由は正直なところ謎です。
名前に反し、ブルースよりはロックやメタル向き
こちらもギターエフェクターのオーバードライブの種類の中で超定番商品です。
名前にブルースと入っていますが、ブルース系のアーティストでこれを使っている人を筆者は1人しか見たことありません。
「ギャリっ」とした主張の強い歪み方をするので、ロックとかメタルとか激しめの音楽向きです。
ぼっちちゃん秀華祭エフェクターボード
ここからはエフェクターボードの中身をまとめて紹介していきます。
まずはぼっちちゃんのエフェクターボードから。
BOSS MS-3 : エフェクター切り替えの立役者。チューナーも搭載。
スイッチャーはエフェクターのように音色を変える物ではなく、エフェクターの切り替えを行う物です。
ギターやベースは曲別や曲中のシーン別に異なる音色を使いたいため、エフェクターを切り替える必要があります。
そのエフェクター切り替えを楽にしてくれるのがスイッチャーです。
MS-3はその名の通り、3つのエフェクトループを装備した製品です。
しかもループに接続した外部のエフェクターだけでなく、MS-3本体も112種類ものエフェクトを持っています。
基本的な使い方としては、曲のシーン毎にエフェクトパターンを準備して登録しておき、演奏時は曲の場面に合わせてトップパネル下部の4つのスイッチでパターンを切り替える。というものです。
この「4パターン」というのが絶妙に良い数で、リードギターに必要な3つのシーンに対応できます。
- 歪み伴奏用(曲中最も多くのシーンで使う)
- ギターソロ用(ギターソロシーンで使う、大きな音量と存在感のある歪みを持つ構成)
- クリーン伴奏用(落ちサビなど静かでしっとりしたシーンで使う。歪ませず落ち着いた音色)
同シリーズにはES-5やES-8など、ミキサー機能が内蔵され、さらに高度なルーティングができるものもあります。
しかし取説を読むと、初めてのスイッチャーとしてはMS-3が多機能すぎず、ちょうど良い製品だと思います。
ちなみにMS-3はチューナーも内蔵されています。
トップパネル上部右の[MEMORY/MANUAL]スイッチを2秒間長押しで、MUTE&TUNERモードに切り替わります。
別でチューナー買ったり、用意したりする必要が無いのはちょっと得した気分です。
BOSS(Roland) Blues Driver BD-2
BD-2再登場。
PROCO RAT2 : ロック黎明期を感じるLo-Fi感があるディストーション
歪み系エフェクターで世界的な定番製品です。
1980年代に世界的なロックギタリスト「ジェフ・ベック」が愛用していたことがきっかけで有名になりました。
それから40年も定番であり続ける超ロングセラー製品です。
同じ歪みでも音色はBD-2と異なり、こちらは高域成分(ハイ)が抑えられたマイルドな歪み方をします。
高域成分が抑えられていることで耳につきすぎず、歌の主張を妨げない伴奏に向いています。
加えてLo-Fi感があり、「お金の無い人々の音楽」であったロック黎明期の味わいがあります。
JIM DUNLOP GCB-95 CRYBABY WAH WAH : ソロパートでギターを叫ばせる
WAH(ワウ)というジャンルのエフェクターの世界的定番商品です。
過去愛用していたギタリストに「ジミ・ヘンドリクス」、「エリック・クラプトン」、「スティーブ・ヴァイ」がいます。
こちらは1966年に登場しており、60年近く売れ続ける超超ロングセラーです。
やや専門的な話になりますが、ワウはバンドパスフィルターを使った音色変化を起こすエフェクトです。
「特定の周波数帯を消すこと」で劇的な音色変化を出しているので、「渇望」や「飢え」をイメージさせる「叫び」のような音がします。
CUSTOM AUDIO JAPAN AC/DC Station : ボードセッティングをシンプルで簡単に。
こちらはエフェクターではなく、パワーサプライです。
パワーサプライとは、エフェクターを複数使う場合に各エフェクターへの電力供給をまとめてくれるものです。
例えば今回のぼっちちゃんボードの場合、パワーサプライが無ければコンセントが4口必要です。
しかしパワーサプライを使うことでエフェクター3つ(BD-2, RAT2, GCB-95)をまとめて電力供給でき、必要コンセントが2口に減ります。
- MS-3
- BD-2
- RAT2
- GCB-95
→コンセント4口
パワーサプライを使うと
→
- MS-3
- AC/DC Station
- BD-2
- RAT2
- GCB-95
→コンセント2口
これによりセッティング時間の短縮やエフェクターボード内構造のシンプル化といったメリットがあります。
厳密な話をすると、MS-3以外は9V電池でも使えるのでコンセントは必ずしも必要ではありません。
しかし「ライブ中にエフェクターの電池が切れる」というのはギタリストにとって避けたいトラブルであるため、リスクの低いコンセントからの電力供給が好まれます。
喜多ちゃん秀華祭エフェクターボード
TC ELECTRONIC Polytune 3 : ステージ上でも見やすく音質劣化防止もできる人気製品
こちらは厳密にはエフェクターではなく、ストンプボックスエフェクター型のチューナーです。
エフェクターのように音色を変える物ではなく、ギターのチューニングに使います。
筆者は以前このチューナーのひとつ前のモデル「Polytune 2」を持っていました。
ギターをジャラーンと弾くとズレている弦が一発でチェックでき、チューニング時間を短縮できるのが特徴の製品です。ライブだとMC中にチューニングすることが多いですが、あのちょっと気まずい時間が短縮できます。
表示のライトも明るく、照明の強いライブステージ上でもチューニング表示をバッチリ見ることができます。
これは小ネタですが、喜多ちゃんのエフェクターボードにはチューナーがあるのに、ぼっちちゃんのエフェクターボードにはチューナーがないことを不思議に思った人もいるかと思います。
実はスイッチャーの「MS-3」にチューナーが内蔵されています。気が利いた製品です。
BOSS Blues Driver BD-2
またしてもBD-2再登場。
ぼっちのギターサウンドとの一体感を出すために共通したエフェクターを選んでいると考えられます。
PROCO RAT2
こちらも再登場。
BD-2同様、ぼっちのギターサウンドとの一体感を出す姿勢の表れだと感じます。
ぼっちちゃんと喜多ちゃんの使用エフェクターはほぼ共通されていて、バンド全体としてのサウンドにまとまりが出るよう考えられています。
しかも加えて使用ギターはそれぞれ「レスポール」と「レスポールJr.」なのでギター本体からサウンドの統一が図られる徹底ぶりです。
このことは関連記事で詳しく解説しているので、興味があればそちらもどうぞ!
まとめ
今回の記事ではアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」に登場したギターアンプ、ベースアンプ、ギターエフェクターのモデル元製品を紹介しました!
登場製品を見返すと長く愛される定番製品が多く、これからロックバンドをやりたい人、ギターやベースを始めたい人には参考になる内容になったと感じます。
「今回解説したエフェクターやアンプが欲しいけど、高くて買えない!」という方向けにとっておきの情報を伝える記事を書きました!
ぼっちちゃんのギターサウンド機材が3万円以下で揃う方法を解説しています。
ギターやベース、スネアなど結束バンドメンバーの楽器本体の調査をした記事もあります!
合わせてご参考にどうぞ!
今回の記事は以上です!
お役に立てれば幸いです。
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[…] 【現役PAが調査】【ギター&ベース機材編】アニメ「ぼっち・ざ・ろっ […]
色々言いたいがとりあえずMS-3の内容がテキトーすぎる。
「同シリーズにはMS-5やMS-8など」と書いてあるがそもそもMS-5やMS-8などない。
あるのはES-5とES-8
MS-3はマルチエフェクター兼スイッチャー
ES-5と8はスイッチャー
あと4番目のスイッチはチューナーと勝手に言ってるが通常状態でのチューナー呼び出しは4つ目の上にあるスイッチなんだが…
一体何をもって4つ目がチューナーだと言ってるのか。
記事にするならもっとちゃんと調べてから書いた方が良いですよ
ご指摘のコメント誠にありがとうございます。
また記事内容の製品仕様に関し、誤植がございましたことをここにお詫び申し上げます。
お知らせいただいた内容について改めて確認し、記事の該当部分を訂正いたしました。